[附則] 重パッチムの場合にはそのうちの1つのみを連音化して発音する。
넋 없다 [너겁다] (われを忘れる), 닭 앞에 [다가페] (鶏の前に)
값어치 [가버치] (値打ち), 값있는 [가빈는] (貴重な)
「꽃아」が規定に定められた条件を充たすならば [꼬다] と発音してもよいでしょう。上記の規定で提示されている条件は、パッチムの後に母音が来なければならないということと、その母音は実質形態素でなければならないということです。「꽃아」はパッチムとして「ㅊ」があり、後に母音「ㅏ」が来るので最初の条件を充たします。ところが2番目の条件つまり実質形態素でなければならないという条件を充たしていません。ですから [꼬다] という発音は正しい発音ということはできません。多少異なる例ですが「쫓아가다」(追って行く)を [쪼다가다] と発音しないのと同様です。また「꽃이, 꽃을」のように他の助詞が結合した例でも [꼬디, 꼬들] と言う人はいません。
[꼬디, 꼬들] よりも [꼬다] があまり不自然でなく感じられるのは、呼格助詞「아」が他の助詞や語尾とは多少異なる特性を示すのと無関係ではないように思われます。中世韓国語において母音で始まる助詞や語尾は母音調和によって選択される対のある場合が多かったのです。助詞の「/은」,「/을」,語尾の「-아/-어」を例にあげることができます。後の時代に母音調和が弱くなって対のなくなった場合が多いですが、「잡아/먹어」のように語尾「-아/-어」は現韓代国語でも母音調和を守っています。ところが中世韓国語において呼格助詞「아」は語尾「-아/-어」と外形上同一な姿でありながら「어」という対がなくつねに「아」のみの形で表れて、既に母音調和を守っていませんでしたし,今に至るまで母音調和を守っていません。それで呼格助詞は他の助詞や語尾と異なり、前の語との間に境界があるために対がないものと解釈されたりもしています。境界があるというのはつまり代表音で発音される環境となるという意味です。 [꼬다] があまり不自然でなく感じられる原因をここに求めることができるでしょう。しかし「標準発音法」において呼格助詞の前では代表音で発音されるという例外を認定しなかったので、 [꼬다] は正しい発音といえません。
次に [꼬사] を調べてみましょう。 [꼬사] は「꽃」が [꼿] となり、これに [아] が結合した発音と解釈されます。「꽃이, 꽃을」をよく [꼬시], [꼬슬] と発音するのと同一の現象です。ところでこれに関する規定をやはり「標準発音法」に見出すことができます。
第13項 単パッチムや双パッチムが母音で始まる助詞や語尾、接尾辞と結合する場合には、その音価どおりに後の音節の初声に連音化して発音する。
깍아 [까까](削って), 옷이 [오시] (服が)
있어 [이써](あって), 낮이 [나지](昼が)
꽂아 [꼬자](差して), 꽃을 [꼬츨] (花を)
쫓아 [쪼차](追って), 밭에 [바테](畑に)
앞으로 [아프로](前へ), 덮이다 [더피다](覆われる)
上の規定によればパッチムは助詞と結合するとき、その音価どおりに発音されなければなりません。ちょうど例の中に「꽃을」があるので「꽃」は [꽃] 」とならなければならないことがはっきりとわかります。パッチムの「ㅊ」を [ㅅ] と発音せよという内容がないので、いかに現実的に広く行き渡っている発音だといっても正しい発音と認定できません。同様に「꽃아 」の場合にのみ例外的に [꼿] を認定する理由もないので [꼬사] は正しい発音といえません。[꼬다]と[꼬사]に比べて[꼬차]は上で言及した問題点のない発音です。したがって「꽃아 」の発音は[꼬차]が正しいといえます。
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第1指 | 엄지손가락, 엄지손 | 엄지, 대무지(大拇指), 대지(大指) 무지(拇指), 거지(巨指), 벽지(擘指) |
第2指 | 집게손가락 | 검지, 두지(頭指), 식지(食指) 염지(鹽指), 인지(人指) |
第3指 | 가운뎃손가락, 장짓가락 | 중지(中指), 장지(長指) |
第4指 | 약손가락, 약손 | 약지(藥指), 무명지(無名指) |
第5指 | 새끼손가락, 새끼손 | 계지(季指), 소지(小指), 수소지(手小指) |
(1)그 사람도 과연 같이 떠날는지.(その人も果たして一緒に発つのだろうか)
(2)반가운 손님이 내일은 올는지.(うれしいお客が明日は来るのだろうか)
上の(1)、(2)の文章ではいずれもパッチムのない動詞「떠나다」と「오다」に語尾「-ㄹ는지」を結合して、不確実な事実の実現可能性に対する疑問を表しています。
これと関連して「-ㄹ는지」と同じ機能を持ちかつパッチムのある用言とともに使われる語尾は「을는지」です。これは次の文章で確認できます。
(3)그 환자가 내일은 아침을 먹을는지.(その患者は明日は朝食を食べるだろうか)
(4)그가 다음 작전에서는 그 임무를 맡을는지.(彼は次の作戦ではその任務を引き受けるだろうか)
아니오:이것은 책이 아니오.(これは本ではありません),
나는 홍길동이 아니오.(わたしはホン・キルドンではありません)
그는 나의 보호자가 아니오.(彼は私の保護者ではありません).
아니요:철수야, 네가 유리창을 깨뜨렸지?(チョルス,お前がガラス窓を壊したんだろう?)
아니요, 제가 안 그랬어요.(いいえ,わたしは壊していません)
아니요, 그럴 리가 없어요.(いいえ,そんなはずがありません)
아니요, 괜찮아요(いいえ,構いません)
以上で説明した内容を整理すると次のとおりです。
(1) 아니오:叙述語としてだけ使われる。「아니+오」の形態であり,終結形語尾である。
(2) 아니요:「아니+요」の形態で,感嘆詞である。主に「예」に対する言葉として使われる。
(3)参考事項
終結形語尾では「-오」と記し、連結形語尾では「-요」と記す。
例:이것은 책이오.(これは本です)
이것은 책이요, 저것은연필이다.(これは本であれは鉛筆です)
「십시오」の終結形形態ではつねに「-오」と記す。
例:어서 오십시오.(いらっしゃいませ)
안녕히 가십시오.(さようならお気をつけて)
尊敬の意味を表す助詞の場合には文章の最後で「-요」を使う。
例:어서 가요.(早くお行きなさい)
잠깐만 기다려요.(ちょっとだけお待ちを)
【注】日本における韓国朝鮮語学では,通常「指定詞」という用語を用いています。(油谷)
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넓죽넓죽:副詞。多くのものがすべて長めで広い様。<例>떡을 넓죽넓죽 썰었다(餅を平たく切った)
この二つの単語の区分は「넓다(広い)」という意味がその単語に含まれていれば「넓-」と表記しなければならず、その意味から離れていれば「넙-」と表記しなければならないということです。それぞれの用例をさらに探してみましょう。
넓-:넓둥글다(物体の形が平たくて丸い)
넓적넓적(多くのものが全て平たくて薄くかなり広い様)
넓적다리(脚の膝関節の上の広い部分)
넓적부리(カモ科の鳥、くちばしがしゃもじのように広いのが特徴である)
넓죽이(顔が平たい人をからかい調でいう言葉)
넓죽하다(長くて広い)
넓-:넙적거리다(口答えをしたり何かを食べるとき口をすばやく開けたり閉じたりする)
넙적대다(=넙적거리다)
넙죽(@口答えをしたり何かを食べるとき口を平たくすばやく開閉する様,A身体を床に平たく伏せてすばやく腹ばいになる様,Bためらったり躊躇せずさっさと行動する様)
넙죽거리다(@口答えをしたり何かを食べるとき口を平たくすばやく開閉する,A身体を床に平たく伏せてすばやく腹ばいになる)
넙죽대다(=넙죽거리다)