【カナタ電話第10巻第4号】

キーワード:r가 r이 か,外来語のハングル表記

Q:(第10巻第4号:2000年冬)数学の本に 「반지름 r가 5cm일 때・・・」 という表現があります。この時の 「r가」 は 「r이」 の書き間違いではないでしょうか。
A: そうではありません。「r가」が正しい書き方です。 "r" は 「」 と読むのではなく 「아르」 となるためです。つまり 「아르가」 と読むようになるため、数学の本で半径をあらわす "r" に続く主格助詞は 「」 となるのが正しいのです。 "r" は原語の発音が [a:γ] なので 「아르」 と表します。
 
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キーワード:망정이지 は続けて書くか離して書くか,分かち書き

Q:(第10巻第4号:2000年冬) 「빨리 병원에 옮겼으니망정이지 큰일 날 뻔했다.」 の下線部は 「옮겼으니망정이지」 と続けて書くのが正しいのですか、 「옮겼으니 망정이지」 と分ち書きするのが正しいのですか。
A: 「빨리 병원에 옮겼으니 망정이지 큰일 날 뻔했다」 のように分ち書きするのが正しい書き方です。そのわけは 「망정」 が依存名詞だからです。 「망정」 は主に 「-기에 망정이지」, 「-니 망정이지」, 「-니까 망정이지」, 「-어서 망정이지」 などの形で使われます。

  (1)우리가 한발 앞섰기에 만정이지, 읍내 지서에 연락이 되었다면 놈들이 지금쯤 여기로 몰려오고 있겠지? (김원일, '불의 제전')
  (2)아비가 배 척이나 갖고 있으니 망정이지 돈 없으면 갈 데 없지, 창부질밖에 못할 계집이라고요. (박경리, '토지')
  (3)금년 농사한 것도 거의 다 익어서 머지않아 거두게 되었으니, 이왕 거두어서 돈을 장만하여야 망정이지 그것을 들에다 내버리고 일어선다는 것은 아깝기도 하려니와 손복할 노릇이었다. (채만식, '소년은 자란다')

 このような類型の語としては,ほかに 「그 정도 다쳤으니 다행이지」, 「앞으로 네가 하기 나름이지」, 「시장하면 뭐든 맛있기 마련이지」 などを挙げることができます。これらの語はすべて名詞または依存名詞に属しています。
 「-으니 망정이지」 の分ち書きに混乱が生じているのは、以前の一部の出版物に 「-으니 망정이지」 を続けて書くとしていたものがあったためです。しかし、これは明らかに間違いです。もし続けて書くことにするのであれば,ひとつの語尾ということになるはずですが、その場合 「준비했기에망정이지」から助詞「」 が省略されて 「준비했기망정이지」 になると説明しなければなりません。このように語尾から助詞が省略されて語尾になったという記述は、文法上きわめて奇妙なことです。このことから、語尾の間に助詞がはいっているのではなく、語尾と依存名詞が連結された構成であることがわかります。
 
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キーワード:주둥이 아가리 부리 の違い

Q:(第10巻第4号:2000年冬) 「주둥이 」 と 「아가리」 と 「부리」 にはどのような違いがありますか。
A: 「주둥이」 は一部の獣や魚などの細くとがって出っ張っている、鼻や口のまわりの部分を指す言葉で、ビンや一部の器などの狭くて細長くとび出している部分を指したり、人間の口のことをさす俗語でもあります。細く尖って飛び出している口の部分を指すという点では 「부리」 と共通するところがありますが、材質に特別な制限がないという点が異なります。
 「아가리」 は物を入れたり出したりするビン・器・袋などの穴の入口( 물동이 아가리 )を指す言葉で、ほら穴・テント・下水溝などの出入りする入口( 하수도 아가리, 동굴 아가리, 천막의 아가리 )のことをいったり、口の俗語( 개 새끼가 아가리에 북어를 물고 달아났다. )でもあります。入ったり出たりする入口という点では 「주둥이」 や 「부리」 と共通する点がありますが、 「주둥이」 や 「부리」 と違い、飛び出していなくて比較的広いという点が特徴です。
 「부리」 は鳥や一部の獣の、長く細く尖っていて、角の材質のように硬い物質でできている口の部分( 부리로 쪼다 )を指す言葉で、端が細く尖っている部分( 총의 부리 )や、ビンのように中身が空になっていて一方が塞がっている物の,細くて開いている方の部分( 병의 부리/주전자의 부리 )を言ったりもします。にゅっと突き出ているという点で 「주둥이」 と共通していますが主に材質が硬いという特徴があります。
 
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キーワード:학여울 の正しい発音,N挿入規則

Q:(第10巻第4号:2000年冬) 「학여울 」 はどのように発音すればよいのかわかりません。 [하겨울], [항녀울] のどちらが正しい発音なのか気になります。
A: 「학여울」は [항녀울] と発音しなければなりません。 [하겨울] は正しい発音ではありません。
 「학여울」 を [항녀울] と発音するのには次のような過程を経ます。まず, 「솜이불[솜니불], 맨입[맨닙]」のように 「」 の音が挿入されます。
  (1)학여울 학녀울
 次に「먹는[멍는], 국물[궁물]」 のように後続音の影響を受けて鼻音化し, [항녀울] になります。
  (2) 학녀울 항녀울
 このような音韻変化をするものには、 「막일[망닐], 삯일[상닐], 색연필[생년필]」 などがあります。
 
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キーワード:그제서야 그제야 か,에서 の違い

Q:(第10巻第4号:2000年冬) 「그제서야, 이제서야 」と「 그제야, 이제야 」はどちらも正しい表現ですか。
A: 「그제서야, 이제서야 」は非標準語です。「그제서야, 이제서야 」は名詞「그제, 이제 」に助詞「에서」が縮約された「」が付き、そこに強調の意味を表す補助詞「」が付いたものと考えることがあります。しかし、「그제, 이제 」には助詞「에서」の縮約形「」を付けることはできません。助詞「에서」が「」に縮約されるのは以下のような場合に限定されます。
  (1)先行語が行動が行われている場所を示す場合。
    例:우리는 아침에 도서관에서 만나기로 하였다. →
      우리는 아침에 도서관서 만나기로 하였다.(○)
  (2)先行語が出発点の意味を持つ場合。
    例:서울에서 몇 시에 출발할 예정이냐? →
      서울서 몇 시에 출발할 예정이냐?(○)
  (3)先行語が根拠の意味を持つ場合。
    例:고마운 마음에서 드리는 말씀입니다. →
      고마운 마음서 드리는 말씀입니다.(×)
  (4)先行語が比較の基準点を表す場合。
    例:이에서 어찌 더 나쁠 수가 있는가? →
      이서 어찌 더 나쁠 수가 있는가?(×)
  (5)先行語が意味上の主語を表す場合。
    例:학교에서 우승을 차지하였다. →
      학교서 우승을 차지하였다.(×)

 このように「에서」は先行語が場所や出発点の意味を持つ場合にだけ「」に縮約でき、根拠や比較の基準、主語を表すときは「」に縮約できません。「그제서야, 이제서야 」は場所や出発点を表すものではないので、「에서」の縮約形の「」を使うことはできません。よって、「그제서야, 이제서야 」は「」が正しく使われているとみなすのは困難です。従って、「그제, 이제 」に「서야」が結合したと認めることはできず、「그제서야, 이제서야 」は「그제야, 이제야 」の方言または間違った使い方とするしかありません。
 
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キーワード:좋아할 게다 좋아할 거다

Q:(第10巻第4号:2000年冬)「좋아할 게다 」が正しいですか,「 좋아할 거다」が正しいですか。それとも両方とも正しいですか。
A: 「 좋아할 거다」が正しく,「좋아할 게다 」は間違いです。「 좋아할 거다」の「」は依存名詞「」を口語的に表現するときに使う語です。ところで,この「」は,後に主格助詞「」がくる場合と叙述格助詞「 이- 」がくる場合で形が違ってきます。主格助詞「」がくる場合には「」になり、叙述格助詞「 이- 」がくる場合には「 거- 」になります。一見すると,どちらの場合も「」の次に「」が続くという同じ環境に置かれているために,「」の次に叙述格助詞「 이- 」がくる場合にも「」になりうると考えることができそうです。
 しかし、「 할 것이면, 할 것이고, 할 것이니 」の口語的表現が「 할 거면, 할 거고, 할 거니 」であるのを見ると「」に「이다, 이고, 이니, 이면」が結合するときは叙述格助詞「 이- 」が省略されていることがわかります。

〈主格助詞「」が結合するとき〉
   (← 거+이)먹을 게 많다, 잡을 게 마땅치 않다
〈叙述格助詞+語尾が結合するとき(이다, 이고, 이니, 이면)〉
   거다(← 거+이다), 거면(← 거+이면), 거고(←거+이고), 거니(←거+이니):
   그 일은 그가 할 거고 이 일은 내가 할 거다. 집에 갈 거니?, 네가 볼 거면 네가 켜라.

 このことから「」に主格助詞「」が続く場合は「」と「」が縮約された「」が正しく、叙述格助詞と語尾が結合した場合は「게다, 게고, 게니, 게면」ではなく「거다, 거고, 거니, 거면」になるのが正しいです。
 
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キーワード:-ㄹ 텐데 を分かち書きする理由

Q:(第10巻第4号:2000年冬) 「올 겨울이 좀 추웠더라면 좋았을 텐데 따뜻해서 장사가 잘 안 된다.」 の 「-ㄹ 텐데」 を分ち書きにする理由は何ですか。
A: 「-ㄹ 텐데」 はひとつの語尾ではないので分ち書きします。 「-ㄹ 텐데」 の場合いつも 「-ㄹ」 が先行する形で使われ、例文(1)のように、「そのようになるだろう」と推測するのに反して実際にはそうではないという意味を表したり、例文(2)のように、後の言葉が省略されて終結語尾のように使われるために、ひとつの語尾と認識されやすいです。

 (1)키가 좀 컸으면 좋았을 텐데 농구하기에는 좀 작구나.
 (2)진작에 경찰에 신고를 하셨더라면 이런 일을 막을 수 있었을 텐데.

 しかし、 「-ㄹ 텐데」 は 「-ㄹ 터인데」 の縮約語で、連体形語尾 「-ㄹ」 の後に予定や推測、意志の意味を表す依存名詞 「」 が結合した構成になっています。これらのことから、 「-ㄹ 텐데」 と分ち書きにします。このように単一であるかのように見える語尾は、分ち書きで混乱を招きやすいです。依存名詞 「」 が入っている 「-ㄹ 테니, -ㄹ 테냐, -ㄹ 테고, -ㄹ 테니까, -ㄹ 테다」 などがそのような例です。
 
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キーワード:「물 길러」 か 「물 길으러」 か, 変則と 語幹

Q:(第10巻第4号:2000年冬)「길러/길으러 가다.」において, 「길러」 と 「길으러」 のうち,どちらが正しいですか。
A: 「긷다」 の語幹 「긷-」 に 「-으러」 が結合した 「길으러」 が正しいです。 「긷다」 は 「길어, 길으니, 긷는」 などと活用する 「」 変則用言です。 「」 変則用言は語幹の末音 「」 が、母音で始まる語尾の前でだけ 「」 に変化する活用をします。 「긷는 아낙네」 のように子音で始まる語尾の前では 「긷-」 の 「」 がそのまま維持され、 「물을 길어다가 먹다」 のように母音で始まる語尾の前では 「」 に変化します。
  「긷다」 が 「길어, 길으니」 のように活用する現象から、基本形が 「길다」 であると錯覚して 「길러」 のように書こうとする傾向があるようです。しかし、 「강의를 들으러 가다, 짐을 실으러 가다, 점심 먹으러 가다」 のように 「」 以外のパッチムがある動詞語幹の後には 「-으러」 を続けなければならず、 「나물 캐러 가다, 두부 사러 가다, 놀러 오다」 のように 「」 語幹動詞やパッチムがない動詞語幹の後には 「」 を続けなければなりません。よって、 「몰 길으러 가다」 の 「길으러」 は 「」 パッチムを持つ 「긷다」 が基本形なので 「-으러」 を付けなければなりません。
 
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