主要業績の要約
「現代韓国語의 動詞分類 -aspect를 中心으로-」
「어 두다と어 놓다の意味分析」
「2バイト系ハングルコードの提案」
『ハングルの基礎』
「朝鮮語の同形異語について」
「日本語と朝鮮語の語彙の対照」
「朝鮮語機械辞書の見出し語形について」
『朝鮮語辞典』
『ハングル初級』
『ハングル基本単語活用辞典』
「朝鮮語CAIの研究」
『朝鮮語入門』
『朝鮮語入門2』
『韓中日漢字文献電算化の現況と課題』
「辞書検索の指導法について」-文末形の場合-
『総合韓国語1』
『総合韓国語2』
『総合韓国語3』
『総合韓国語4』
「만들다 の格支配構造」
「Web基盤韓国語教授法の特徴と方向」
『ハングル学習の手引き』
『日韓対照言語学入門』
『プログレッシブ日韓・韓日辞典』
『間違いやすい韓国語表現100』中級編
『間違いやすい韓国語表現100』初級編
『小学館日韓辞典』
「웹기반 한-일사전에 대하여」
『間違いやすい韓国語表現100』上級編
ハングル発展有功者褒章受賞
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「現代韓国語의 動詞分類 -aspect를 中心으로-」
『朝鮮学報』第87輯
従来韓国語の時制と相に関しては,時制と相の二元的構造を主張する立場や時相という一元的構造を主張する立場などが見られたが,動詞が本来的に持っている資質についてはほとんど考慮せず,個々の用例を羅列するのみで動詞の意味構造という大きな観点からの考察がなされてこなかった.
本稿は現代韓国語における相の問題を簡潔かつ体系的に記述するために,アスペクトの面から動詞をA類からF類までの6種に分類したものである.
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「어 두다と어 놓다の意味分析」
『朝鮮学報』第91輯
어 두다と어 놓다は日本語ではともに「~ておく」と訳されるが,A:ある時までにある対象に変化を与えることを示す,B:ある時まで一定の状態を持続させることを示す,というアスペクト的な差異が存在する.
考察の結果,①ある種の動詞はAB型のアスペクトを示し,A型であるかB型であるかは어 두다を用いるか어 놓다を用いるかによって決定される,②ある種の動詞は動詞の資質によってA型かB型が予め決定されている,ことが判った.
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「2バイト系ハングルコードの提案」
『計量国語学』第15巻第1号
朝鮮語を表記する字母であるハングルは,音素文字であると同時に,字母を音節ごとに上下左右に組み合わせて表記する.ハングルに電算処理用のコードを付与する場合,音素毎に付与する方式と音節毎に付与する方式とが考えられるが,前者は逆順にデータを処理する際に用い,後者は正順にデータを処理する際に用いるのが効率的であることを示し,日本語と共存するようにコードを設定した.
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『ハングルの基礎』
お隣の国に対する関心がとみに高まり、従来のような古代史一辺倒ではなくて、幅広い角度からさまざまに紹介されるようになったことは、韓国語研究者の一人として誠に嬉しい限りである。(中略)
語学教材においては、優れた書物が次々と出版されているが、研究書的色彩が強くて初心者の陥りやすい誤りに対して無頓着であったり、解説が詳しすぎて一年間の授業で使うには分量が多すぎたり、文法的立場が私とは異なっていたりして使い辛い一面があり、判りやすい入門書を書きたいという思いは年々つのるばかりであった。(中略)
第1課では、その後の学習の助けとなるように韓国語の全体像を概観してみた。韓国語は日本語と非常によく似た文法構造を有しており、文章の読解だけなら一,二カ月集中的に勉強すれば十分である。第2課と第3課では、文字と発音の解説を行った。第2課は第4課以降の学習のためには必ず先に済ませておかなければならないが、第3課は第4課以降と並行しながら適宜該当箇所を参照するようにしてもよい。なお、第2課と第3課の聞き取り練習は、別売のテープに収録されている。第4課から第20課までは本文とその日本語訳・新出単語・文法解説・練習問題から構成されている。練習問題に関しては、教室でも使えるように模範解答を付すのは全体の半数のみとし、残る半分にはヒントを与えるにとどめた。(以下略)
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「朝鮮語の同形異語について」
『朝鮮学報』第133輯
同形異語とは,「本来異なる語形を持つ語が,合成語を形成したり,語尾や助詞などを取ることによって同形になったもの」を指す.
本稿は,朝鮮語における同形異語の形成過程を明らかにすると共に,学生に同形異語を含む文を日本語に訳させることによって,どのような点で誤りを犯しやすいかを分析し,朝鮮語教育に役立てようとしたものである.
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「日本語と朝鮮語の語彙の対照」
『日本語と日本語教育』第7巻
朝鮮語の品詞分類は日本語と非常によく似ているが,形容動詞がない点と動詞と形容詞の活用形式が9割以上共通している点が異なること,朝鮮語では「ある・いる」を区別しないが一部の助詞に生物と無生物による使い分けがあること,漢字語は大部分日本語と共通するが意味のずれるものについては注意を要すること,語彙体系にあっては親族用語や身体名称・身につける動作などを対照し,音象徴は日本語以上に複雑であることを述べた.
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「朝鮮語機械辞書の見出し語形について」
『アジアの諸言語と一般言語学』三省堂
朝鮮語の自動構文解析に際して必要となる機械辞書の見出し語形を,いかなる形式で登録すべきかについて,変則用言と母音語幹用言を中心に研究した.
また,朝鮮語は1母音のみ,1子音のみからなる形態素がいくつか存在するので,最長一致法による辞書検索には2バイトコードを用いるよりも1バイトコードを用いる方が効率的であることを明らかにした.
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『朝鮮語辞典』
従来の朝鮮語辞典は、韓国で出版された「国語辞典」をそのまま日本語に翻訳したものという性格から脱しきれず、「日本人ないしは日本語話者のための朝鮮語辞典」という観点から見た場合、不備な点が多かった。
本書は、従来の朝鮮語辞典では見られなかったようなさまざまな工夫を凝らした。会話や読み物に現れる形から体言や用言の基本形が求めにくいものについては、それらを変化形見出しとしてできるだけ多く収録することに努めた。
朝鮮語の読解には助詞や語尾の細かな使い分けに関する知識が重要であり,本書は従来の辞書では解説されてない新たな用法を解説すると共に、語幹と語尾の接続の仕方やその単語が用いられる条件など,豊富な用例と共に文法解説を詳しく行ない,類義語の使い分けや日朝における語彙体系の違いについても解説し,読んで楽しい辞典、学習上役に立つ辞典となることを目指した。すべての用言には活用番号を付し、巻末に用言活用表を付けたのもその一環であり、こうした工夫は朝鮮語辞典としては初めての試みであろう。その他、本辞典の細かい使い方については「この辞典の使い方」に詳しく記しておいたので、十分理解した上で、効果的に活用していただきたい。
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『ハングル初級』
拙著『ハングルの基礎』(大修館書店)では、基本的な文法事項を段階的に積み上げていくという方針の下に編集したところ、幸いにも朝鮮語の独習書として、また教科書として多くの方々が支持してくださいました。
しかしながら、第2外国語あるいは単位外の外国語として、1週間に1コマ(90分)しか割り当てられれていない場合、1年間でこれを全て消化するのは困難だとのご指摘を何人かの方から頂戴しました。
そこで本書は、各課を1コマないし2コマでこなせる分量におさえ、週1コマ通年30回として計算し、小テストをする時間や各種の行事で抜ける時間などをも考慮して全体を15課で構成しました。また、到達目標を「辞書を引いて簡単な文章が読めること」に置きました。従って、本書には略待上称が抜けている代わりに、『ハングルの基礎』では取り上げなかった引用文の解説が含まれています。また、各課の練習問題も「活用形を原形に戻して辞書が調べられる力をつける」ことを目標に作られています。
巻末には、テキストに出現する語彙に基づいた単語帳と簡単な挨拶を収録しました。単語帳は、変化形を独力で原形に戻せる力を養うために、最近の辞書の傾向に逆行して、変化形見出しは収録せず、意図的に不親切に構成してあります。本格的な辞書としては、著者などが中心となって編集した、『朝鮮語辞典』(小学館)をお勧めします。
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『ハングル基本単語活用辞典』
テキストを講読する際に、辞書で単語を調べやすい言語と調べにくい言語とがあるように思います。たとえば、英語は分かち書きされている上に語形変化が少ないので、日本語に訳しやすいか否かは別として、辞書で単語を調べるだけなら簡単な言語といえるでしょう。(中略)
それでは、朝鮮語の辞書はどうでしょうか。かつてこの言語が極く少数の人々によって学ばれていた時代は、変則活用を原形に戻すという操作ができない限り、辞書ひとつ満足に引けないという状況が長く続いていました。(中略)
しかしながら、近頃では、朝鮮語の学習者が増え、入門書が盛んに出版されるにつれ、辞書も次第に整備されてきました。本国の「国語辞典」をそのまま日本語に置き換えただけの辞典ではなく、「日本語母語話者が使いやすいように」という観点に立った辞書が現れ始めたのです。
とはいえ、「本が、本を、本に、本で、本まで」が国語辞典に収録されていないのと同様に、「책이, 책을, 책에, 책으로, 책까지」まで辞書に収録するわけには行きません。日本語の場合は上で述べたように漢字と仮名がそれぞれ名詞と助詞を表記し分けているので、与えられた文字列を自立語の部分と付属語の部分に分けるのはさほど難しくはありませんが、朝鮮語のように自立語も付属語もハングルだけで書くとなると、同音異義語が増えるだけでなく、自立語と付属語の境界が曖昧になってしまいます。
たとえば、가지 という綴り字には「枝、種類、なす」という意味がありますが、この綴り字はそれだけでなく、「用言語幹(가)+語尾(지):行くこと」のようにも分析できます。前者のように同じ綴り字にいくつかの意味があるものが、同音異義語と呼ばれるのはご存じですね。そして、ある綴り字が単独の品詞のみならず異なる品詞にも分析できたり、何通りかの異なる位置で分割できたりする場合、これを同形異構造を有しているといい、同形異構造を有している語句を同形異語と呼ぶことにします。日本語に当てはめると、「おしょくじけん」というひらがなに対して「お食事券」と「汚職事件」という文節の切り方の全く異なる単語が得られるのがそのよい例で、ワードプロセッサを使った経験のある方なら実感していただけると思います。朝鮮語はこのような同形異語が基本的に多く存在するのが大きな特徴で、辞書で単語を調べにくい言語であるといえます。
本書は初心者にとってのこのような障壁を少しでも軽減したいという気持ちから編纂したものです。(中略)
ところで、本書は書名が示すように、基本単語の「活用辞典」であって、「基本単語辞典」ではありません。つまり、本書の見出し語となっているものは、初心者にとって原形に戻すことが困難な変則活用の語形や、単語と紛れやすい活用形のみであり、一般の単語は、活用形と同形になるもの以外は見出し語として採用しないという方針をとっています。(以下略)
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「朝鮮語CAIの研究」
『朝鮮学報』第153輯
朝鮮語の学習においては,単語を覚えることよりもむしろ,単語を活用させたり,活用した形を原形に戻したりする操作を習得することの方が重要である.
本プログラムは学習者が入力した用言の原形に対してパラダイムを表示したり,入力された活用形に対して理論的に可能な全ての原形を表示したり,活用形の練習問題を提示し,結果を採点するものである.形態素分析のアルゴリズムも公開しておいたので,効率的な学習が可能である.
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『朝鮮語入門』
本書の到達目標は,「辞書を引いて簡単な文章が読めること」と,「辞書を引いて短文が作れること」の2点に的を絞ってあります.従って,文末形式は最敬体(上称)とぞんざい体(下称)のみで,会話でよく用いられる敬体(略待上称)や略待については解説を省きました.最敬体を知っていれば雰囲気が多少堅苦しくはなるものの,会話をしたり手紙を書いたりすることは可能ですし,ぞんざい体を知っていれば新聞や雑誌・学術論文などが読めるので,入門段階ではこれで必要にして十分だと考えたからです.
7課から10課まで4回に分けて,基本的な漢字音について解説しました。従来,このような入門書で漢字音について解説することはあまりなかったように思いますが,朝鮮語は日本語以上に漢字語をよく使用する言語なので,日本語と規則的に対応する漢字音を知っているだけでも語彙が急激に増大することを考え,基本的なものについてだけ解説しておくことにしました。
本書の正書法は,大韓民国のものに基づいています.朝鮮民主主義人民共和国の正書法は,大韓民国のものと多少異なっています.主要な相違点については本書でもふれておきましたが,紙面の都合上,そのすべてについて解説することはできませんでした.変則活用については,各課に少しずつ分散して解説することをせずに,最後の11課と12課にまとめておきました.従来の方法よりもこの方が学習上効果的だと考えたからですが,結果は未知数です.場合によっては他の課と並行して11課と12課を学習してもよいでしょう.ただし,基本語彙に多く含まれるr語幹とha変則については,早い段階で解説してあります.
練習問題のうち,第7課以降の日本語訳練習用のテキストは,大韓民国の教科書から引用しました.
巻末には,朝日および日朝の単語リストと,文法項目や練習問題を中心とした索引を収録しました.単語リストには,テキストに出現する語彙だけでなく,基本的な単語を多数収録して利用者の便宜を図りました.単語リストの朝日編では,変化形を独力で原形に戻せる力を養うために,最近の辞書の傾向に逆行して,変化形見出しは収録せず,意図的に不親切に構成してあります.本格的な辞書としては,著者などが中心となって編集した『朝鮮語辞典』(小学館)をお薦めします.また,いくつかの課にはコラムを付しておきました.朝鮮文化への興味を抱くきっかけになれば幸いです.
2001年4月の第5刷を印刷する際に,別売のテープを作成しました。上記の写真は録音を担当してくださった金泰希さんと韓日虎さんです。
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『朝鮮語入門2』
本書は,『朝鮮語入門』(油谷幸利著,ひつじ書房,1996)の姉妹編として作りました。初級編は,「辞書を引いて簡単な文章が読めること」と,「辞書を引いて短文が作れること」の2点に的を絞って構成しましたが,本書では,中級の段階で必要と思われる文法項目を,初級編とは別の角度から整理し直しました。従って,項目によっては初級編と一部重なる部分もありますが,既習の文法事項を復習しながら次の段階へ進むほうが効果的であると考え,もう一度解説することにしました。
初級編の講読では会話文がほとんどなかったのに比べると,本書の講読は会話文が主体になっていて,朝鮮語の一歩進んだ運用が可能になるように配慮されています。いくつかの課には,初級編と同様にコラムを付しておきました。朝鮮文化への興味を抱くきっかけになれば幸いです。また,巻末付録として,本書を最後までやり遂げた人のための力試し用に,論説文2編を収録しておきました。特に後者の論説文は古い表現が含まれているだけでなく,一種の文化史の一面をもあわせ持っており,上級編への橋渡しとして最適の文章になっています。会話文は,著者が1986年から87年にかけて,NHKラジオの「アンニョンハシムニカ・ハングル講座」を担当した際に書き下ろした本文を転用したものです。それぞれの資料に関し,転用を快くご許可下さった大韓民国教育部,大韓民国国立国語研究院,日本放送出版協会に篤くお礼申し上げます。
初級編で基本的な漢字音について解説しましたが,本書では日本語の音読みとは異なる読みを持つ漢字や,複数の漢字音を持つものについて解説しました。初級編でも触れたように,朝鮮語は日本語以上に漢字語をよく使用する言語なので,漢字音に関する知識が増えれば増えるほど,利用可能な語彙が急激に増大します。
本書の正書法は,初級編と同様に,大韓民国のものに基づいています。朝鮮民主主義人民共和国の正書法は,大韓民国のものと多少異なっています。主要な相違点については初級編でふれておきましたが,本書では特に解説することはしませんでした。関心のある方は初級編をご覧下さい。
初級編では巻末に単語リストをつけましたが,本書では作文に利用できるように,ごく簡単な日朝編の単語リストを付けるにとどめました。朝鮮語の辞書としては,著者などが中心となって編集した『朝鮮語辞典』(小学館)をお薦めします.同書の巻末には日朝の単語リスト(約5000語)と助詞の解説が収録されているので,作文にもある程度利用することができます。従って,同書に収録されている単語については,本書の単語リストからは省いてあります。
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朝鮮語は日本語と同様に膠着語であるため,テキストに出現したままの文字列を辞書で検索しても目指す解が得られないことが往々にしてあり,形態素解析を行いながら辞書を検索しなければならないという点で,初期段階の学習者にとっては難しい作業である.
筆者は,油谷(1994a)や油谷(1999)において,形態素解析のアルゴリズムを明らかにしてきたが,本稿ではこれらで得た知見に基づいて,教授経験の長短にかかわらず効率的に辞書検索の指導が行える方法を提案するものである.
本稿では扱う範囲を,朝鮮語の辞書の引き方になれていない入門期の学生指導に限定することとし,その中でも特に,語形変化が激しくて形態素解析の困難な場合が多い文末形式の指導法について提案する.取り上げる文法事項は,丁寧語尾として上称(最敬体),用言として正則活用と変則活用の全て,時制補助語幹と尊敬補助語幹である.
本稿で示した「原形」というのはあくまでも可能性としてそのようなものがあり得るということであり,実際に辞書にその語形が存在するか否かは学習者が自ら確認する必要がある.外国語学習の初期段階では,一見無駄に見えるような作業でも長い目で見ると有効な学習方法であることがあり,本稿における「原形の可能性を全て列挙する」方法は,見落としの可能性を排除するという点で有効な学習方法であるといえよう.
本稿で提案した指導方法は,外国語に対するひらめきというような曖昧なものに頼ることなく,段階を踏んで丹念に可能性を尽くしさえすれば,誰にでも複雑な形態素解析が行えることを示している.
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本書の特徴
(1)発音から文字へ:韓国語の発音を基礎から学ぶために、基本会話の本文に読みがな付きの簡単な挨拶文を載せ(第1章)、ハングル文字の学習が終わった段階で基本会話の読みがなをハングルの下に移して、発音の練習ができるようにしました(第2章)。そして、第3章からは、読みがなに頼らず、ハングルだけで学習できるように配慮しました。
(2)基本表現:覚える必要のある基本的な表現パターンを示しました。また、反復練習ができるように入れ替え例を多く取り入れました。
(3)文法事項:文法事項について理解を高めるために多くの例文を示しました。
(4)練習問題:基本会話や文法事項の復習ができるように、練習問題を多く取り入れました。
(5)各課や各章ごとに基本単語を示し、基本的な語彙が学習できるようにしました。これは単元を終えるごとに覚えていくようにして下さい。
(6)韓国についての知識を増やし,日本人と韓国人とのコミュニケーションを楽しく知的好奇心のあるものするため、韓国の歴史・文化・生活習慣などの情報を載せました。
本書の構成
本書は、全4巻からなる韓国語テキストの第1巻にあたります。全4巻のうち、1,2巻が初級レベル、3,4巻が中級レベルの内容のものです。
第1巻にあたる本書は、大学などの教育機関で週2コマで半年間(あるいは、週1コマで一年間)で学習できるテキストとして内容を組み立てました。そこで、全体を4章にわけ、各章を4課で構成しました。また、各章ごとに「整理と発展」のページを設け、復習および本文で学んだ内容が応用学習できるようにしました。以下、各章での学び方を簡単に説明しておきます。
第1章:簡単な挨拶文をよみがなによって学ぶ。細かな発音にあまりとらわれないで
言ってみるのが肝心です。そして、 ハングル文字と発音も学びます。
第2章:簡単な挨拶文を含む会話文を学びます。そして、第1章で習ったハングルの
読み方をここで試してみます。しかし、ハングルの読み方に自身のない方の
ために基本会話のハングルの下に日本語の発音を併記しました。
第3章:韓国人と日本人が友だちになるための自己紹介などの内容です。これ以降は、
読みがなを省き、ハングルのみの文章となっています。ハングルの読み方を
しっかりつかむようにしましょう。
第4章:第3章に引き続き、韓国人と日本人が友だちになるための日常生活の会話文
となっています。ここでは生活のなかでよく使われている数詞を中心に学習
します。
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本書の特徴
本書は,全4巻からなる韓国語テキストの第2巻にあたります。全4巻のうち,1,2巻が初級レベル,3,4巻が中級レベルの内容となっています。本書を手にして韓国語を学ぶ皆さんがより効果的な学習ができるように,以下に簡単に内容の解説をしておきます。
(1)素材:日本人留学生の韓国での生活における経験と韓国人との交流。
(2)設定:第1巻に続き,韓国に留学した日本の大学生(山田)と,韓国に旅行にきた山田の友だち(吉田)が韓国の女子学生(秀智)との交流の中で韓国の文化を学びながら新たに自己を発見しつつ日本の文化への認識を深めていく。
(3)目標:ハングル文字への違和感を解消する。
韓国の音楽に親しめる。
韓国に興味を持てる。韓国が面白い。韓国人と友だちになれる。
現代日韓社会・文化の共通点と相違点を知る。
ハングル能力検定試験4級合格レベル。
本書の構成
第1章:自分を伝える
互いに積極的かつ率直に自分のことを語り合うことによって親しくなり,他人に自分のことを話すことによって自己認識を深める。韓国語で自分について語ってみましょう。
第2章:家族関係を語る
ある人を理解するためのひとつの材料となるのは,その人の家族関係だと言えるでしょう。互いの家族関係について語り合うことで,親子関係,兄弟関係などを知り,より一層相手への理解を深めてみましょう。
第3章:日韓の文化交流
1999年から韓国では本格的に日本の文化が開放され,日韓の文化交流の新しい時代が幕を開けました。互いの文化の質を高めあいながら更なる相互理解を深めるために,互いの文化について語ってみましょう。
第4章:食文化の共通点と相違点
相手の文化を知ることは自分の文化の理解を深めることにつながります。日常の生活の中で日韓の食文化について話し合いながら自国の文化について新しい発見をしてみましょう。
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本稿は人間を主語に取った 만들다 の用例を分析することにより,만들다 の格支配構造がいかなる意味と結びつくかを考察した。その結果,格標識が同じ順序で並んでいても,項の内容が具象名詞か抽象名詞かによって意味が大きく変わることがあることがわかった。
日本語や朝鮮語においては,助詞が格標識として機能するので語順が比較的自由であると言われてきたが,今回の調査により,特定の意味を表現するための典型的な語順とそうでない語順が存在することがある程度明らかになったと言えよう。
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Characters of Korean Teaching Method Based on Website and Its Direction
This paper will report the web sites on Korean education in Japan. We can devide these sites into two groups. One mainly aims at collecting and providing information about Korean. The other, on the contrary, aims at teaching Korean. (Needless to say, some sites belong to both groups.)
The former sites encourage people to study Korean by supplying useful information. In other words, they think highly of the efforts which learners make rather than instruction. The latter sites think it more important to teach students.
Finally, I will show some prospect about computer aided instruction.
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はじめに
このたび,ハングル能力検定協会発足十周年を記念して,韓国・朝鮮語学習者にとって参考となる書物の出版が企画立案され,ここにその成果をお示しする運びとなりました。
ハングル能力検定試験は本国以外の地において初めて実施された韓国・朝鮮語の検定試験であり,外国語教育理論に基づいて学習段階に応じた問題を作成している点,出題基準を明確に定めて公表している点,南北いずれの正書法による解答も認めている点に特徴があります。
「十年一昔」ということばがあり,「십년이면 강산도 변한다 十年経てば山河も変わる」ということばがあります。いずれも過去の状況と比べて大きな変貌を遂げたことの形容ですが,ハングル能力検定試験も発足以来十年の間に試験問題の作成方法や試験会場の運営・マークシートの導入・受験料の値下げに到るまで大きく変貌を遂げてきました。
受験なさった方はすでにお気づきのことと思いますが,2002年度春季検定試験実施に際し,試験問題の内容が大幅に見直されました。その趣旨は,単に自分の学力がどの程度に達しているかに関して学習者に一定の指針を与えるだけでなく,学習者に喜びを与えるような試験でなければならない,韓国・朝鮮語を学んでよかった、独学でもまじめに勉強すれば合格できた、という喜びを感じてもらえるような試験を目指そうというものです。
学習の場は大学・高校・語学学校・市民講座・独学などさまざまですが,成人の年齢に達した人が母語話者と接する機会が少ないままに外国語を学習する場合は,語彙を学習しながら段階的に文法項目を積み上げていくのがもっとも効果的です。出題基準検討委員会では,語彙リストと文法項目を学習段階に沿って選定する作業と並行して出題形式の検討も行い,その基準に沿った出題を出題委員に要請することにしました。
出題区分に関しては,発足当初の1級から4級までの4段階に加えて,1995年の第5回検定試験からは新たに準2級と5級が,2002年の第18回検定試験からは更に準1級が設置されました。これは受験者の皆様の能力をより正確に判定しようという意図に基づく措置です。
出題基準に関しては,従来おおまかな目安と5級の語彙リストのみが公開され,内規としての出題基準は公開されていませんでしたが,発足十周年を機に,1級から5級までの出題基準と準2級から5級までの語彙リストを公開することと致しました。多少流動的な部分が残っているために今回公開するに到りませんでしたが,内規としては出題形式や問題の数・長文の語数など,細部に至るまで明確に規定したことにより全体としてすっきりし,問題が解きやすくなったと思います。
年間2500名程度であった受験者も,ワールドカップの日韓共催や大学入試センター試験への韓国語の導入など追い風のお蔭もあって,発足十年目にしてようやく年間1万人に迫ろうかというところまで漕ぎつけました。これもひとえに受験者の皆様のご支持の賜物と感謝しております。
出題基準検討委員会の活動は本書の出版をもってひと区切りつきましたが,よりよい検定試験作成のために,試験問題検討委員会と連携しつつ陣容の若返りと更なる充実を図り,また,本書に対する皆様方からの貴重なご意見を可能な限り反映させながら,今後も引き続き出題基準の改訂を行なって行きたいと考えています。
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本書は,現代日本語と現代韓国語の対照研究について概説し,本格的な研究への手がかりを与えることを目的とする。書名を日朝とせずに日韓としたのは,朝鮮民主主義人民共和国(以下では共和国と略称)の言語の状況について一切触れていない(より正確に言えば筆者にその能力がない)からであり,総称として言及する際には朝鮮語という用語を用いることにする。
日本語と朝鮮語が同系か否かに関しては,証明するに足るだけの資料が朝鮮語の側に圧倒的に存在しないために,現状では何とも言えない。言語間の音韻対応の法則を求め,それらの言語の歴史的な類縁関係を明らかにしようとする学問分野を比較言語学と呼ぶが,対照研究は,言語間の歴史的な関係は考慮せず,類縁関係が存在しない言語でも研究対象としうる。
また,言語の対照研究に際しては,「日本語母語話者」および「韓国語母語話者」と書くべきであるが,全てにわたっていちいちそのように書くのはわずらわしいので,それぞれ日本人,韓国人と簡単に書くこともある。
本書ではできるだけ正確に記述することを心がけたが、厳密さという点に関しては、煩雑を避けるために簡略な説明にとどめた部分もあることをお断りしておく。
本書の読者としては,韓国語について基本的な知識がある人(少なくとも文字の読み書き程度はでき,基本的な格助詞や丁寧語尾が付けられること)を想定している。
ところで,外国語を使用する際の誤りとしては,次のようなものが考えられる。
①学習不足による誤り
②単なる思い違い,言い誤り
③母語による干渉
④過度の修正
⑤過度の一般化
⑥既習外国語による干渉
このうち3番目のものは,母語と対象言語を知っていればある程度予測が付けられ,誤用分析に際して威力を発揮する。(実際の発話は予測に反することが多いという研究結果も存在するが,外国語教育の現場ではそれなりに役立つと考えている。)
末筆ながら,同志社大学言語文化教育研究センターの高榮珍助教授は原稿の全てに目を通し,誤字の指摘のみならず内容に関しても適切なご助言を下さった。記して感謝の意を表する次第である。
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■ISBNコード: 4095061413
■判型/頁: B7変 /1458頁
■定価: 3,360円(税込)
■発売日: 初版=2004/04/23,第2版=2013/12/15
韓国語を読むだけでなく、書く・話すまでを可能にしたポケット版韓日・日韓辞典。
「韓日」に7万項目、「日韓」に2万項目収録。
旅行に便利な「表現集」、動詞などの活用が分かる「用言活用表」つき。2色刷。
【初版】 | 【第2版】 |
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■ISBNコード: 4-89174-772-2
■判型/頁: B5 /本文154頁,付録:練習問題解答89頁
■定価: 1,890円(税込)
■発売日: 2006/04/20
【本書の特徴】
- 素材:筆者が30年近く大学で教鞭をとりつつ蓄積した誤用例と韓国語の豊富なデータ
- 基盤:言語学および日韓対照言語学の最新の研究成果
- 成果:素材の総合的な分析に基づいて綿密な計算の上に産み出された練習問題
【本書の構成】
- 初級段階の文法事項の整理
初級段階で学習を終えていると思われる文法事項を示しておいたので,本書での学習に先立って,これまで学んでこられた文法事項の復習およびご自分の実力判定に利用していただければ幸いである。
- 各課の構成
- 中級作文で習得すべき項目
中級作文における間違いの原因となる,日本語と韓国語とで異なる部分を解説する。文法
項目を各課の中心テーマとし,さらに日本語と韓国語の語彙体系の違いに基づく誤用の可能
性を指摘した。また,必要に応じて文法項目の定着を図るための確認問題を提供した。
- 間違いやすい表現100 [各課に10個ずつ配置]
語彙体系の違いが原因で誤訳しやすい部分,ちょっとした助詞の使い方の違い,単語結合
におけるズレ,表現の違いなど,文法項目としてまとめにくいものを整理しておいた。さらに,
練習問題および課題作文と関連のある項目に関しては,〔基本1-3〕あるいは〔課題1〕のよう
に示しておいた。
- 練習問題
直訳では必ずしも正解が得られない韓国語作文の練習問題を提供した。
各課で提示した練習問題は,日本語母語話者にとって間違いやすい表現や,曖昧さを持っ
ているために何通りかに解釈される表現,あるいは日本語に特有の表現を含んでいるために
主語と述語・目的語の関係を明瞭にした表現に言い換えた上でなければ作文しにくいようなも
のを素材として,各課のテーマに合わせて作文問題として作り上げたものであり,ごく一部を
除いて全てオリジナルである。ポイントを絞った学習が可能なように,その課のポイントとなる部
分を下線で示しておいた。
基本問題と発展問題に分けてあるので,基本問題だけを1課から10課まで解いた上で改め
て発展問題を1課から10課まで解くという使い方も可能であろう。
- 誤用から学ぶ韓国語表現
各課の最後に課題作文の添削という形式を使って,学習者が間違いやすい部分を指摘して
学習上のポイント押さえられるようにした。ポイントはその課のテーマや「間違いやすい表現10
0」を中心に示すことにした。
- 索引
本書に出現する文法項目や作文しにくいと思われる語彙・単語結合・表現などをできるだけ多く収録した。学習の手がかりとして利用していただければ幸いである。
- 練習問題解答 [別刷]
別刷りの解答例は,筆者が作成したものを,複数の韓国語母語話者の検証を経て練り上げたものである。
解答例はあくまでもひとつの「例」に過ぎず,それ以外の解答をすべて間違いとして排除するものではない。ここで強調しておきたいのは,単に解答例を羅列して作業完了とするのではなく,正に痒いところに手の届く解説を施すことを心掛けた点である。独学なさっている方々にとっては,解答例が正しいことは納得できても,自分の作った文が果たして正解なのかどうかを知りたいと考えるのは当然であろう。本書では正解や別解を提示するだけではなく,間違いの例やそれがなぜ間違いであるのかという理由を豊富に示した。複数の解答例が示されている場合には,最初に示されている解答の方がより使用頻度の高いものになるように心がけた。
さらに上級を目指す人にとっては,「文法的でありひとまず通じる文ではあるが,このように変える方がより自然な韓国語になる」という点に関する情報も有益であろう。解説で「不自然」としたものは実際に筆者あるいは「はじめに」で述べた受講生諸氏の作文から拾い上げたものであり,日本語母語話者が作文する際に出現する可能性が高い表現である。本書の解説を読むだけでも新たな発見の連続であろうと確信している。
韓国語研究あるいは日韓対照研究を志している人々は,論文のテーマを随所に発見できるであろう。とは言え,最先端の知見を盛り込むことを優先したので,まだ検証の済んでいない部分もあり,多少の勇み足があるかもしれない。そのような点に関しては読者諸賢のご海容を乞う次第である。
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■ISBNコード: 978-4-89174-818-0
■判型/頁: B5 /本文141頁,付録:練習問題解答92頁
■定価: 1,890円(税込)
■発売日: 2007/04/10
【本書の特徴】
- 素材:筆者が30年近く大学で教鞭をとりつつ蓄積した誤用例と韓国語の豊富なデータ
- 基盤:言語学および日韓対照言語学の最新の研究成果
- 成果:素材の総合的な分析に基づいて綿密な計算の上に産み出された練習問題
【本書の構成】
- 初級段階の文法事項の整理
初級段階で学習を終えていると思われる文法事項を示しておいたので,本書での学習に先立って,これまで学んでこられた文法事項の復習およびご自分の実力判定に利用していただければ幸いである。
- 各課の構成
- 文法項目
初級作文で習得すべき文法項目を各課の中心テーマとし,初級作文における間違いの原因となる,日本語と韓国語とで異なる部分を解説する。また,必要に応じて文法項目の定着を図るための確認問題を提供した。
- 確認問題
各課のポイントとなる文法項目と関連して,活用形の問題を提供した。この部分が正確に解答できない学習者は,もう一度初級教材に戻って文法を整理した上で本書の練習問題に取り組んでいただきたい。基礎を曖昧なままにしておいて作文の問題に取り組んでも時間の無駄である。
- 間違いやすい表現100 [各課に10個ずつ配置]
語彙体系の違いが原因で誤訳しやすい部分,ちょっとした助詞の使い方の違い,単語結合におけるズレ,表現の違いなど,文法項目としてまとめにくいものを整理しておいた。さらに,練習問題および課題作文と関連のある項目に関しては,〔基本1-3〕あるいは〔課題1〕のように示しておいた。用例で,*の付いたものは文法的に正しくないことを,??の付いたものは文法的には正しいが不自然な表現であることを示しているので注意されたい。なお,一部の項目が中級編と重複しているが,それだけ間違いやすいことを意味しているとお考え頂きたい。
- 基本作文・発展作文
直訳では必ずしも正解が得られない韓国語作文の練習問題を提供した。
各課で提示した練習問題は,日本語母語話者にとって間違いやすい表現や,曖昧さを持っ
ているために何通りかに解釈される表現,あるいは日本語に特有の表現を含んでいるために
主語と述語・目的語の関係を明瞭にした表現に言い換えた上でなければ作文しにくいようなも
のを素材として,各課のテーマに合わせて作文問題として作り上げたものであり,ごく一部を
除いて全てオリジナルである。ポイントを絞った学習が可能なように,その課のポイントとなる部
分を下線で示しておいた。
初級編だからといって安易に取り組むのではなく,まず始めに日本語の表す意味を吟味してほしい。
日本語の助詞にはさまざまな用法があるので,「に」という助詞は常に'?'という同じ助詞に
対応するのではなく,文脈に応じてさまざまな形式に対応するということを学んでほしい。
また,日本語の敬語形は時として指し示す内容が曖昧な場合があるので,敬語表現に慣れていない人は,
作文に取り掛かる前に一度敬語形でない日本語に置き換えて作文し,出来上がった韓国語の文を
敬語形に直すという二段階方式を取ると間違いを減らすことができるだろう。
基本問題と発展問題に分けてあるので,基本問題だけを1課から10課まで解いた上で改め
て発展問題を1課から10課まで解くという使い方も可能であろう。
- より自然な韓国語表現を学ぼう
各課の最後に課題作文の添削という形式を使って,学習者が間違いやすい部分を指摘して学習上の
ポイントを押さえられるようにした。この素材となったものは授業中に学習者が実際に提出した
課題作文であり,それらを添削する過程で共通して現れた不自然な表現を集めて提示した。
- 索引
本書に出現する文法項目や作文しにくいと思われる語彙・単語結合・表現などをできるだけ多く収録した。学習の手がかりとして利用していただければ幸いである。
- 練習問題解答 [別刷]
別刷りの解答例は,筆者(油谷と金恩愛)がそれぞれ日本語母語話者および韓国語母語話者という立場からポイントとなる点を議論しながら練り上げたものである。
解答例はあくまでもひとつの「例」に過ぎず,それ以外の解答をすべて間違いとして排除するものではない。ここで強調しておきたいのは,単に解答例を羅列して作業完了とするのではなく,正に痒いところに手の届く解説を施すことを心掛けた点である。独学なさっている方々にとっては,解答例が正しいことは納得できても,自分の作った文が果たして正解なのかどうかを知りたいと考えるのは当然であろう。本書では正解や別解を提示するだけではなく,間違いの例やそれがなぜ間違いであるのかという理由を豊富に示した。複数の解答例が示されている場合には,最初に示されている解答の方がより使用頻度の高いものになるように心がけた。
さらに上級を目指す人にとっては,「文法的でありひとまず通じる文ではあるが,このように変える方がより自然な韓国語になる」という点に関する情報も有益であろう。解説で「不自然」としたものは実際に筆者あるいは「はじめに」で述べた受講生諸氏の作文から拾い上げたものであり,日本語母語話者が作文する際に出現する可能性が高い表現である。本書の解説を読むだけでも新たな発見の連続であろうと確信している。
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■ISBNコード: ISBN-10: 4095157119
■判型/頁: 19.4 x 13.8 x 3.6 cm /本文1209頁,
■定価: 4,420円(税込)
■発売日: 2008/09/20
【本書の特徴】
- 収録項目数4万2千、用例数6万5千。
- 生きた日本語に適切な韓国語を付けました。
- おもな重要語には、作文に役立つ、基本表現・語法・使い分けのコラムを付けました。
- リアルな会話欄を随所に設け、実際の語の使われ方を示しました。
- 本1冊、鉛筆1本など、おもな名詞には韓国語の数え方を示しました。
- 随所に参考記事や非文情報、発音の注意点なども掲載しました。
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「WEB基盤韓日辞典について」
■2011/08/25
■第73回言語情報研究院学術発表会
■延世大学 위당관301号室 動画1 動画2 動画3 動画4
【ポスター】 |
【準備風景】 |
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■ISBNコード: 978-4-86398-194-2
■判型/頁: B5 /本文166頁,付録:練習問題解答105頁
■定価: 1,800円+税
■発売日: 2015/06/10
【本書の特徴】
- 素材:筆者が30年以上大学で教鞭をとりつつ蓄積した誤用例と韓国語の豊富なデータ
- 基盤:言語学および日韓対照言語学の最新の研究成果
- 成果:素材の総合的な分析に基づいて綿密な計算の上に産み出された練習問題
【本書の構成】
- 各課の構成
- 上級作文で習得すべき項目
上級作文における間違いの原因となる,日本語と韓国語とで異なる部分を解説する。文法項目を各課の中心テーマとし,さらに日本語と韓国語の語彙体系や言語構造および表現様相の違いに基づく誤用の可能性を指摘した。
- 間違いやすい表現100
文法項目としてまとめにくいものを配置しておいた。練習問題と関連のあるものに関しては【基本1-4】のように示しておいた。
- 練習問題
直訳では必ずしも正解が得られない韓国語作文の練習問題を提供した。
各課で提示した練習問題は,日本語母語話者にとって間違いやすい表現や,曖昧さを持っているために何通りかに解釈される表現,あるいは日本語に特有の表現を含んでいるために主語と述語・目的語の関係を明瞭にした表現に言い換えた上でなければ作文しにくいようなものを素材として,各課のテーマに合わせて作文問題として作り上げたものであり,全てオリジナルである。ポイントを絞った学習が可能なように,その課のポイントとなる部分を下線で示しておいた。
基本問題と発展問題に分けてあるので,基本問題だけを1課から10課まで解いた上で改めて発展問題を1課から10課まで解くという使い方も可能であろう。
- 索引
本書に出現する文法項目や作文しにくいと思われる語彙・単語結合・表現などをできるだけ多く収録した。学習の手がかりとして利用していただければ幸いである。
- 練習問題解答 [別刷]
別刷の解答例は,筆者(油谷・金美仙・金恩愛)がそれぞれ日本語母語話者および韓国語母語話者という立場からポイントとなる点を議論しながら練り上げたものである。
解答例はあくまでもひとつの「例」に過ぎず,それ以外の解答をすべて間違いとして排除するものではない。ここで強調しておきたいのは,単に解答例を羅列して作業完了とするのではなく,正に痒いところに手の届く解説を施すことを心掛けた点である。独学なさっている方々にとっては,解答例が正しいことは納得できても,自分の作った文が果たして正解なのかどうかを知りたいと考えるのは当然であろう。本書では正解や別解を提示するだけではなく,間違いの例やそれがなぜ間違いであるのかという理由を豊富に示すとともに,文法的でありひとまず通じる文ではあるが,このように変える方がより自然な韓国語になる,という点に関する情報を与えることも目標の一つとした。複数の解答例が示されている場合には,最初に示されている解答の方がより使用頻度の高いものになるように心がけた。解説で「不自然」としたものは実際に「はじめに」で述べた受講生諸氏の作文から拾い上げたものであり,日本語母語話者が作文する際に出現する可能性が高い表現である。本書の解説を読むだけでも新たな発見の連続であろうと確信している。
韓国語研究あるいは日韓対照研究を志している人々は,論文のテーマを随所に発見できるであろう。とは言え,最先端の知見を盛り込むことを優先したので,まだ検証の済んでいない部分もあり,多少の勇み足があるかもしれない。そのような点に関しては読者諸賢のご海容を乞う次第である。
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『外国語e-learningの作り方』
■定価: 300円+税
■発売日: 2020/10/16
■Amazon電子版
本書はe-learning教材の作成法について,初歩の段階から順序立てて解説したものです。
本書には筆者が40年に及ぶ試行錯誤の結果蓄積したノウハウがちりばめられていますが,
面倒な解説はいらないので,直ぐにe-learningソフトを利用したいという方は,巻末に示す
サイトからダウンロードしてご利用ください。その際には本書が操作マニュアルの代わりになります。
多少なりとも背景に興味がある方は,各章の解説をお読みください。
第1章ではe-learning教材を開発する際に必要な環境について解説しました。
高価なものが必ずしも優れた道具であるとは限りません。無料のものの中にも使い勝手の良い
ものがあるので,ご自分の目的に合うものを選んでください。
第2章と第3章では,大学入試センター試験外国語の過去問から,英語・ドイツ語・フランス語・
中国語・韓国語の問題を利用したe-learning教材を,2種類のプログラミング言語で作ってみました。
第4章ではクロスワードパズルと作文問題について解説しました。
第5章ではスペイン語の動詞活用をデータベース化し,動詞の活用表を表示すると共に
練習問題を出題できるようにしました。
第6章では英語の用例データベースの作り方を解説しました。
本書がデータ処理の対象として扱った言語は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・
中国語・韓国語ですが,wordで読み書きできる言語であればこれ以外の言語にも応用可能です。
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ハングル発展有功者褒章受賞
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