これと類似した例として、古語で単語のあとに‘ㅎ’がついていた言葉(ㅎ曲用語)が他の単語に出会って形成される合成語や派生語の場合を探してみることができます。古語で ㅎ曲用語であった単語は‘머리(頭)、살(肌)、수(雄)、암(雌)、안アン(内)’などで、これらの単語は合成語で‘ㅎ’音が添加されるので、あとにくる単語を激音で書かなければなりません。
머리카락(머리ㅎ+가락) 살코기(살ㅎ+고기)
안팎(안ㅎ+밖)
ただし‘암−’‘수−’と結合する形態は、標準語規定第7項に例示された以下の場合にのみ後続音を激音で書くことを認定しています。
수캉아지, 수캐, 수컷, 수키와, 수탉, 수탕나귀, 수톨쩌귀, 수퇘지,수평아리
암캉아지, 암캐, 암컷, 암키와, 암탉, 암탕나귀, 암톨쩌귀, 암퇘지, 암평아리
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부셔=부시-(‘부시다’の語幹)+-어(一般的な叙述を表す連結語尾)
부숴=부수-(‘부수다’の語幹)+-어(一般的な叙述を表す連結語尾)
‘부수다’は日常生活で‘부시다’として使い間違える例を多く見ることができます。これは‘수’の‘ㅜ’の音が前舌子音である‘ㅅ’の影響で前舌母音である‘ㅣ’に変わって発音されるためです。
これと似た例で‘비추다’と‘비치다’があります。‘비추다’は他動詞であり‘光をだして何かを明るくしたり表れるようにする’の意味をもち、‘비치다’は‘光がでて明るくなる’という意味をもった自動詞です。したがって‘빛을 비추다 光を照らす’,‘빛이 비치다 光が照る’のように区別して使わなければなりません。もしも‘호수 위를 비치는 달빛 湖の上を照る月光’のような使いかたをすると,自動詞である‘비치다’が目的語をもつようになるので間違った文になります。
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간편하게 → 간편케, 학습하도록 → 학습토록
다정하다 → 다정타, 흔하다 → 흔타
ところが例外的に,お問い合わせの「생각건대」などでは語幹末音節である「하」がすっかり落ちた形態を認定し,語幹「하」が省略された形態で使います。
거북하지 → 거북지, 생각하건대 → 생각건대
생각하지 → 생각지, 생각하다못해 → 생각다못해
깨끗하지 않다→ 깨끗지 않다,넉넉하지 않다→ 넉넉지 않다
못하지 않다 → 못지 않다, 익숙하지 않다 → 익숙지 않다・・・・・・
このように例外規定が適用される単語はすべて語幹末音が「ㅂ, ㄷ, ㄱ」などの無声破裂音なので,区別するのは難しくありません。
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